2007年12月24日

Eimear Quinn『O Holy Night』

 久しぶりの新作は、クリスマスにちなんだトラッドとオリジナル曲を交えて12曲。なんだクリスマスの企画ものか、などと侮ってはいけない。

 全体的には、雪の降り積もる夜にともる暖炉のようなイメージ。澄んでいながら柔らかいヴォーカルに、暖かく包み込まれる。いや、クリスタルヴォイスって、ともすると耳に突き刺さる感じになりがちな(気がする)んだけど、この人にはそれがない。ストリングス中心のアレンジも控えめで、いっそう声を引き立たせる。

 かと思いきや、金属音?から始まるtrack1が挑戦的。track4はいわゆる『きよしこの夜』だけど、メロディを少しずつ変えたりして、もの悲しくはかなげな別物。個人的には、ややアップテンポで追いかけっこするサビがツボなtrack9。とただのケルトな癒し系クリスマスではないところがやはり好き。クリスマスが終わっても聞きたい1枚。

【参考】ケルトなクリスマスものでは、Loreena McKennitt『To Drive the Cold Winter Away』など。こちらは伝統的なクリスマスアルバムという感じ。

Eimear Quinn, Official Website (アーティスト公式、試聴可)
MySpace.com - Eimear Quinn (MySpace、試聴可)※いきなり音出るので注意
posted by 築城 at 23:36| ケルト

2007年08月30日

Loreena McKennitt『Nights from the Alhambra』

 スペイン・アルハンブラ宮殿でのライブを収録した2枚組CD+DVD。CDとDVDで曲目や構成は一緒。DVDの方は、ところどころにアルハンブラの風景が挿入されていて美しい。

 音だけでも十分すばらしいんだけど、これはやっぱり映像で見るもんだねえ……いや自分もまだちゃんと見てないんだけど。ブズーキやハーディ・ガーディといった民族楽器とドラムやエレキギターがずらっと並ぶ絵ヅラはなかなかすごい。しかもそれらが違和感なく合わさり、ヴォーカルと共に曲を生み出す。帯に「折衷ケルト」とあったけど、あはは確かにそうだ。ケルトでもありロックでもあり、それ以外の何かでもあり。"癒し系"なんて言葉を吹っ飛ばすかっこよさ。

 個人的に、アコーディオンを演奏している姿が何かかわいくていいなあ。ステップ踏んだりして。アーティスト写真では、考え深げにたたずんでいたりきりっとハープを演奏していたりする姿が印象的なので、別の一面を見た思い。

Quinlan Road - Explore The Music - Nights From The Alhambra (レーベル公式、試聴あり)
posted by 築城 at 21:36| ケルト

2006年11月23日

Loreena McKennitt『An Ancient Muse』

 前作から9年を経て、どんなものを出してくるのかと敢えて試聴を最小限に抑えて待っていたアルバム。力強く響く孤高の声、ケルトと異文化が融合する幻想的な音世界。変わらない音楽に涙する。強いて挙げれば、オリエンタル色がより強くなったかなあ。『Celtic Woman』あたりを聴いている人が、ケルトーと思って聴くと大変なことになる。

 個人的に、上記公式に挙がっているライブ映像が鳥肌もの。ライブの人だと思う。過去の作品で1枚おすすめを挙げよと言われれば、迷わず『Live In Paris And Toronto』を答えるぐらい。来日熱烈希望。

Quinlan Road - Explore The Music - An Ancient Muse (レーベル公式、試聴あり)
posted by 築城 at 00:00| ケルト