2006年09月17日

上野洋子『Puzzle』

アルバム『Voices』の後継と言っていいのかな。歌詞なし、アレンジも控えめで「楽器としての声」を追求したアルバム。アルバムタイトルの由来は、パズルのごとく「ここにまだこんな声がはめられるかな?」と試行錯誤しながら声を重ねていったことによるそうですが、まさしくその通り、隙間なく幾重にも声が敷き詰められています。もーそれだけで既に幸せ(涙)
お得意の民族調、アディエマスっぽい(って何だ?)もの、アンビエント……全体的に、世間で「ヒーリング」と呼ばれているジャンルに近い曲調が多いかな。いや、何がどうヒーリングなんだか、実はよく分かってないんですが。最近、化粧品やミネラル飲料水なんかのCMでよく使われるような曲調ともいうかも。
でもヒーリングって、アルファー波が出て眠くなるーって感じだけど、これは逆ですのでご注意。声の渦に巻き込まれて、興奮こそすれとっても寝てられません(笑)
また、控えめながらも声と絡む楽器類も多種多様。しかもその大半を本人が演奏してるし。ファン的には、おおやっぱり出たかハーディ・ガーディと大正琴、とか。
一人の声による様々な表現を堪能できる一枚。ぜひに。

uenoyoko (アーティスト公式)
@Victor Entertainment 作品詳細 上野 洋子 Puzzle (発売元紹介ページ、試聴可)
posted by 築城 at 22:35| 多重コーラス

上野洋子『VOICES』

元ザバダックのヴォーカルにして最強のクリスタル・ヴォイスパフォーマー(と勝手に決める(笑))上野洋子のソロアルバム。アルバムタイトル通り、ひたすら声声声。声以外の音は極力入れず、歌詞もほとんどなく。楽器としての声をひたすら追求しているように思います。『CREID』track1を思わせる重厚なヴォーカルワークから打楽器、エンジェルボイスまで何でもあり。

uenoyoko (アーティスト公式)
Yoko Ueno (発売元紹介ページ、試聴可)
posted by 築城 at 22:35| 多重コーラス

『ブルガリアン ヴォイス Remastered by SEIGEN ONO 2001』

ブルガリアの女性が農作業しながら数人で合唱したのが始まりといわれるブルガリアンヴォイス。のどから絞り出すような独特の響きを持つ発声と不協和音が大きな特徴。それが荘厳とも妖しさともとれる、不思議と心地よい音楽にきこえるんだよなあ。だから「不協和音」といわれても、ピンと来ないんですが私。
日本では、数十年前に車のCMで初めてブルガリアンヴォイスが使われてから、ちょっとしたブームになったとか。今では日本の作曲家も作品に取り入れたり、CMでも時々耳にしたりするので、聴けばきっと「ああ、こういう感じ聴いたことある」と思い当たるんではないかと。
と前置きが長くなりましたが、このCDは、日本コロムビアから1987年にリリースされた「ブルガリアの声のの神秘」シリーズの第1弾を再マスタリングして再発したもの。収録曲はオリジナルと同じです(曲の順番は変わっています)。
幾重にも重なって空間を震わせる女声合唱に、出だしからぞわっとします。賛美歌のような響きのtrack1からはじまり、数人で合唱する素朴な歌、アップテンポで先鋭的なもの、伴奏付きの独唱でオペラっぽくもあったり。本当に農作業やりながらこんなん歌ってたの?てぐらい、迫力ある
posted by 築城 at 22:35| 多重コーラス