2008年12月31日

(Multi) Asturias『In Search of The Soul Trees/樹霊』

 「アコースティック・アストゥーリアス」に対して「マルチ・アストゥーリアス」としての新作。アコースティック路線から一転して、打ち込み・エレキありの多重録音ものに。全曲インスト。
 ……実は自分、アストゥーリアスの初期3部作は部分的に惹かれるものの、エレキギターが前面に出てくるとどういうわけか受け付けなかったので、今回ちょっと不安だった。できればまたアコースティックの方がよかったなーとまで。

 ……すみません反省してます。アコースティックとエレキ、打ち込みと生音――それらが、ぴったり息のあったリレーの走者のように1つの曲をつないでいく。繊細なピアノの旋律、軽やかなクラリネットから突然ギターのうなり声、それに絡むバイオリン……その流れに耳を任せていると、いつの間にか大きなうねりに巻き込まれていく。久しぶりに魂持ってかれる感じを味わった。

 ロックど真ん中あり、アコアスでおなじみの叙情メロあり……個人的イチオシtrackが選びにくい。とにかく全編かっこよすぎ。最近のアコアスから入った人もぜひに。

Asturias | アストゥーリアス
アーティスト公式。発売案内ページのメイキング・プロモ映像でtrack1の一部試聴可。手作り感あふれていて個人的に好き。
MusicTerm--SHOP--CD--020445
通販サイト内の商品紹介ページ。全曲試聴可。
posted by 築城 at 07:03| インスト

2008年09月06日

筒井香織『水の楽園 - ピアノ作品集』

 「水底に沈んだ街」をイメージしたピアノ曲集『組曲「水の楽園」』 + 伝説の都市・イスをモチーフにした絵のBGM集『3つの素描』――という2部構成のアルバム。

 『組曲「水の楽園」』は、叙情的なピアノがとにかく心の琴線ふるわせまくりなのですよ。メロディが鮮やかに情景を描き、物語を紡いでいく。久石譲のソロピアノ曲が好きな人は好みかも。でもクラシックでありながら、どこかプログレ。な気がする。

 一方の『3つの素描』の方は、ピアノ以外の音も混じり、ミステリアスな古都のイメージ。3曲だけだとちょっと物足りない……「絵に音楽をつける」試みはほかにもやっているようなので、そこら辺まとめて聴きたいなあ。

Alphonte (アーティスト&レーベル公式)
MusicTerm--SHOP--CD--020420 (通販サイトの商品紹介ページ。全曲試聴可)
posted by 築城 at 23:50| インスト

2008年01月08日

Fylue Deau『時間のむこう/Timeside Points』

 時々気になるものがあるChildiscレーベル。思い出すとサイトをチェックしていて、このジャケットに引っかかり、さんざ探し回ったあげく試聴(※現在はなし)を見つけてそのまま即買い。なので、どういう人なのか知らないのです。CD Journalの紹介によると、男性のソロプロジェクトらしいのだけど。

 ピアノメインのインスト集。アンビエントとか、あとミニマルの要素もありなのかな。ややエコーを効かせ、緩急つけながら、ピアノの音がきらきらと宙を舞う。主旋律はなく、即興のようでもあり……ううう表現しがたい。何で試聴がないんだー。閑話休題。

 ピアノの音色が作り出す音空間に浸かれる1作。個人的好みはちょっと和テイストなtrack6や、ラストをドラマティックに盛り上げるtrack16など。

【参考】今までに聴いた中では、Steve Reichのピアノものにちょっと似ているかなあ。ってほかにそこら辺聴いたことないんだけど。
posted by 築城 at 22:54| インスト