雨や陽光、月や星空、はたまた鳥の啼き声や桜の舞い散る様を擬音で綴った歌集。中身はいつも通りのヴォーカルワークバラエティ。
擬音というのは、声を楽器として扱うのに適しているのか。track11なんか、雪の降り積もる「声」がただただ重なって何か凄みが。「楽器としての声」は、以前にも『VOICES』や『Puzzle』でやっていますが、今回は日本語を歌詞にしたことで親しみやすくなった気がします。
声の重なりは美しく、追いかけっこは軽やかに。楽器はトイピアノやらマリンバやら、可愛い系が多いかな。民族色なし、一部詩の朗読あり。
元々この「自然現象」シリーズは、女性コーラスユニット・Marsh Mallowでやっていたもの。そこのメンバーも今作に参加していて、7割方Marsh Mallowのミニアルバムとも言える。そして残りは、実は非「自然現象」な曲。コーラスものもよいけど、RPGの水の祠BGM風(何だそりゃ)なtrack9や、track12の素朴な一人ヴォーカルもよいなあと思うのです。
uenoyoko (アーティスト公式)
2006年10月25日
上野洋子『自然現象』
posted by 築城 at 06:02| アコースティック
梶浦由記『FICTION』
初のソロアルバム。これまで手がけてきた劇伴曲の中から代表的なものをリアレンジ+新曲という内容。1曲を除いてすべてヴォーカル曲。
新曲の方はわりと普通の歌もの、ポップス。対して、劇伴曲の再録は民族系で、ブルガリアン・ヴォイスっぽいコーラスワークあり、イーリアンパイプも各所でよく使われているような。私的にはやはり後者が涙もの。民族やオペラ等々のエッセンスを取り入れながら土臭さやベタな感じはなく、かっこいい。そして、力強い女性ヴォーカルが全体をまとめあげています。
これまでにもサントラの形で作品を大量に発表している人ではありますが、サントラってどうしたってドラマなりゲームなりで使うための曲(コミカルな場面用の曲とか、ザコバトル曲とか)が混じっちゃうわけで……この人の曲聴いてみたいんだけどそういうのがなー、という人にはぜひに。いやほんと、おいしいとこ取り。
FICTION | YUKI KAJIURA(発売元公式、試聴可)
新曲の方はわりと普通の歌もの、ポップス。対して、劇伴曲の再録は民族系で、ブルガリアン・ヴォイスっぽいコーラスワークあり、イーリアンパイプも各所でよく使われているような。私的にはやはり後者が涙もの。民族やオペラ等々のエッセンスを取り入れながら土臭さやベタな感じはなく、かっこいい。そして、力強い女性ヴォーカルが全体をまとめあげています。
これまでにもサントラの形で作品を大量に発表している人ではありますが、サントラってどうしたってドラマなりゲームなりで使うための曲(コミカルな場面用の曲とか、ザコバトル曲とか)が混じっちゃうわけで……この人の曲聴いてみたいんだけどそういうのがなー、という人にはぜひに。いやほんと、おいしいとこ取り。
FICTION | YUKI KAJIURA(発売元公式、試聴可)
posted by 築城 at 06:02| ポップス
Yae『flowing to the sky』
「古くから伝わる物語や民謡」をテーマにしたコンセプトアルバム。らしい。トラッドを交え全9曲。素朴な曲もあればプログレっぽいものもあるけど、不思議とバラバラな感じはしません。
ゆるゆると伸びる声がとにかく気持ちいいです。全く力が入っていない(除くtrack4)し、ヴォーカルスタイルに特に際だった特徴があるわけでもないのに、何だろうこの存在感。おそらくフルオーケストラの中でも埋没しないと思う。クリスタルヴォイスとは別に、こういう静かに低く響く声も好きなのよ実は。歌詞なしのtrack6では、その声が一番堪能できるように思います。
アレンジは、ギターやバイオリンに混じってマリンバやビブラフォン、果てはオタケビ(笑)まで多彩な楽器が少しずつ登場。1曲1曲は少数編成で、しかし演奏はいろいろ趣向を凝らしているというか。track1のアコーディオンにピアノやギターが折り重なっていく様は特に印象的です。
無国籍トラッド、というのかな。エスニックとは違う、しかしどこか異国を思わせる雰囲気。試聴なしがつらいんですが、こういうヴォーカルやトラッドに興味あったらぜひ。
yaenet (アーティスト公式)
ゆるゆると伸びる声がとにかく気持ちいいです。全く力が入っていない(除くtrack4)し、ヴォーカルスタイルに特に際だった特徴があるわけでもないのに、何だろうこの存在感。おそらくフルオーケストラの中でも埋没しないと思う。クリスタルヴォイスとは別に、こういう静かに低く響く声も好きなのよ実は。歌詞なしのtrack6では、その声が一番堪能できるように思います。
アレンジは、ギターやバイオリンに混じってマリンバやビブラフォン、果てはオタケビ(笑)まで多彩な楽器が少しずつ登場。1曲1曲は少数編成で、しかし演奏はいろいろ趣向を凝らしているというか。track1のアコーディオンにピアノやギターが折り重なっていく様は特に印象的です。
無国籍トラッド、というのかな。エスニックとは違う、しかしどこか異国を思わせる雰囲気。試聴なしがつらいんですが、こういうヴォーカルやトラッドに興味あったらぜひ。
yaenet (アーティスト公式)
posted by 築城 at 06:02| トラッド